RYO IKETANI

池谷 竜いけたに りょう

TRAINING

資生堂ランニングクラブの池谷コーチが中距離を走り切るポイントをアドバイス

第6回は、資生堂ランニングクラブの池谷竜コーチが、長距離を走るためのペース設定や水分補給のタイミングをお伝えします。マラソン大会に出場している方や、これからの参加を目指している方は必見です。

2018.12.19 WED

特にマラソン大会に参加する際に気になる「どんなペースで走れば良いの?」「水分補給はどのタイミングで?」などのランナーの悩みに、現役時代に1,500m、5,000mの中距離で活躍した池谷コーチが、指導者の視点で答えてくれました。

ADVICEランニングのプロからのアドバイス

パワーは後半に温存

ランニングをする方なら、どのようなペースで走るべきか、長距離なら尚のこと気になりますよね。基本的に長距離を走る時は、序盤で飛ばしすぎないことが大切。前半でエネルギーを使い果たしてしまうと、後半でバテてしまい最後まで走りきることが困難になってしまいます。

特に長距離走やマラソン初心者の方の場合、気持ちが先走ってしまうこともあるでしょう。調子が良くても中間くらいまでは速度をセーブすることを心がけましょう。そうすれば、疲れが出る後半でのペース維持やペースアップも期待できます。普段のランニングの際も後半へのパワー温存を意識すると良いでしょう。

正しい呼吸法でペースをキープ

決めたペース通りに走るには呼吸も大切です。ランニング中も普段と変わらない呼吸で、と考えている方がいらっしゃるようですが、それはお勧めできません。ランニング中は、手と足の動きに合わせて「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」という要領で呼吸をしましょう。呼吸・腕・脚、それぞれのリズムを合わせることが大切です。

私は普段の練習で、選手と一緒に走る時に、一番気を配っているのが彼女たちの呼吸。手脚と同じリズムで呼吸出来ているかチェックしています。「呼吸は鼻で吸って口で吐く」と伝える方もいますが、私の中では口で吸って口で吐くイメージ。特に女性は呼吸時に声が出るような選手もおり、口での呼吸を確認することができます。

水分補給は早め、早めに。

水分補給ですが、走る前、途中、終了後には必ず、そして早めに摂ることが大切です。レース中は、速度、体型や天候などによって左右されます。その時の「発汗によって失った水分量」を補給してください。

ランニング中は大体20分に1回の頻度で水分補給をしましょう。ランニング中に喉の渇きを感じた時には、既に脱水が始まっています。喉が渇いていなくても、定期的に水分補給することが大切です。もちろん、ランニング終了後の水分補給も欠かさないようにしましょう。

池谷コーチが語ってくれた「ペース設定」と「水分補給」のポイント。普段よりも、長い距離にチャレンジしてみたくなった方も多いのではないでしょうか。そこで今回は長い距離を快適に走るためのバッグと持ち物についてまとめてみました。

Vol.06

なるべく身軽に軽快に!
快適に走るためのバッグと持ち物

ランニング中はなるべく身体を軽くして走りたいもの。何も持たずに走ることが理想的ではありますが、近所を軽く走る場合でも携帯電話や鍵など、さらに距離を伸ばすことを考えると、補給食や水なども必要になってきます。

ここでは距離別にランニング時の荷物の持ち物とバッグ類を紹介していきます。

近所を軽くランニング
5kmくらいの近距離の場合

●持ち物:携帯電話、鍵
●バッグ類:アームバンド型

近所を軽く5km、時間にすると40分ほどのランニングには、携帯電話や家の鍵など、片手ほどの荷物が収まるアームバンド型がおすすめです。

ベルクロのストラップ付きのものが多く、腕のサイズに合わせてフィット感を調整出来るので、ランニングの上下動でも揺れにくくなっています。

少し長めのランニング
10km~25kmくらいの中距離

●持ち物:ジェル(補給食)1個、水200~500ml程度、携帯電話、鍵
●バッグ:ボトルホルダー型ウエストポーチ

10km以上の距離になると(気温にもよりますが)水分補給が必要になります。
その際には携帯、鍵などのほかに、ドリンクボトルを入れられるウエストポーチが便利です。ウエスト部分がバックル式で着脱が簡単で調節も可能。ボトルが取り出しやすいように斜めに差し込むタイプもあります。

また2時間以上、20km近くのランニングだと低血糖状態(ハンガーノック)になる怖れもあります。ハンガーノックにまではならなくとも、空腹でのランニングは危険ですので、エナジージェルなどの補給食を1つくらい持っておくといいでしょう。

長めのランニング
25km以上の長距離、ピクニックラン、通勤ランなど

●持ち物:ジェル(補給食)1個、水200~500ml程度、携帯電話、鍵、ウインドブレーカー、財布
●バッグ:バックパック

25km以上のランニングになると、運動時間が2時間以上におよぶため相応の準備が必要です。水や補給食は当然として、走っている間に天候が変わることもあるので、体温調節しやすいウインドブレーカーなども持っておくといいでしょう。少し大きめのバックパック、10~15Lくらいの邪魔にならない大きさのものが便利です。また防水機能、背中の通気性などの機能が充実している、ランニング用のものが快適です。

バックパックの中には、ハイドレーションバッグ(ストローで水が飲めるバッグ)を保持できるものもあります。わざわざボトルをバッグから取り出すことなく水分補給ができるので、頻繁に長距離ランをする人にはおすすめのアイテムです。

快適に走ることがもっとも重要

「バッグ類は持ち物の量によって大きさ(容量)を変えていくと快適ですが、もっとも重要なのがフィット感です。腕に付けるタイプ、ウエストポーチタイプ、バックパックなど種類はさまざまありますが、ランニングの上下動で揺れないフィット感の高いタイプを選びましょう。荷物が揺れると集中力が削がれることになりますので、可能な限り試着して身体に合うものを選びましょう。

「5kmランの場合は携帯電話と鍵でOK」と書きましたが、これはあくまで目安です。もし水分補給などに不安がある場合は、ボトルなどをもって走っても問題ありません。快適で楽しいランニングを目指しましょう。

池谷 竜RYO IKETANI

資生堂ランニングクラブ ランニングコーチ

鹿屋体育大学出身で自衛隊体育学校から2016年にランニングクラブに加入。現役時代は、日本選手権出場の経歴も誇る。メンバーからの信頼が厚く、普段から選手とのコミュニケーションも良好。駅伝日本一とチームからの五輪選手輩出のために日々、努力している。