SAORI IMAMURA

今村 咲織いまむら さおり

TRAINING

今村選手がランニング後のアフターケアについてアドバイス

第3回は、2018年に大学を卒業し資生堂ランニングクラブに入部した今村咲織選手が、ランニング後のアフターケアについてアドバイス。大学チャンピオンの疲れを残さない秘訣とは?

2018.10.18 THU

実業団で活動する選手は、走った後のアフターケアもプロのノウハウをもっています。市民ランナーや、これからランニングを始めたいという方にとってもランニング後の身体のケアは参考になることばかりです。

今回は、昨年の全日本インカレで見事優勝した実業団ルーキーの今村選手が、意外と見落としがちなトレーニング後のケア方法をアドバイスします。

ADVICEランニングのプロからのアドバイス

今村 咲織

アフターケアは長続きの第一歩

アフターケアは長続きの第一歩となる事はご存知でしょうか?走った後に適切なケアをしないと、膝や足首、腰などランニングで酷使する部位を痛めてしまい、それがその後の日常生活やトレーニングに影響してしまいます。

ケガをするとランニングを続けることは困難です。せっかくランニングを始めてみたのはいいももの、途中で挫折・・・なんてことになり兼ねません。アフターケアは欠かさずに行ってください。

アフターケアの基本はアイシング

今村 咲織

多くの方は、アイシングという言葉は聞いたことがあると思いますが、実践している方は少ないはずです。走り終わった後はアイシングが重要になります。一番簡単なアイシングの方法は、走ってパンパンに張った脚に冷水を当てて冷やすことです。膝、太もも、足首、ふくらはぎが熱を持っているので、冷水を30秒から1分くらい患部に当てて冷却してください。

私は、週2回ほどランニング後にスーパー銭湯に行ってアフターケアをしています。特にハードなトレーニングをした後は筋肉疲労が激しいので、水とお湯に交互に浸かる交代浴は欠かせません。水に1、2分、お湯に5分程度浸かり、これを3〜5回ほど繰り返しています。また、疲労回復の際はサウナもよく利用しています。血流を良くすることで、疲労の原因となる乳酸を排出しやすくなるからです。近くにサウナに入れる施設があれば、活用してみてください。

ストレッチとマッサージもお忘れなく

アフターケアで大切なことはアイシングだけではありません。ストレッチやマッサージも効果的です。

ストレッチのポイントは、反動をつけずにゆったりと長めに筋肉を伸ばしてあげることです。呼吸を止めずに、息を吸って伸ばすタイミングでゆっくり吐き出してください。伸ばしすぎは禁物。痛くなるちょっと手前で十分です。マッサージは、強く叩いたり揉んだりせず軽くこするイメージで末端から心臓に向かって行うことが大切です。土踏まず、スネの外側、ふくらはぎ、太ももを中心にやさしくマッサージしてください。

今村選手が語ってくれた「アフターケア」へのこだわり。今回は「アフターケア」についての豆知識をまとめてみました。

Vol.03

アフターケアの重要性

ランニングを始めると、走ることばかりに意識が行きがちになります。それはそうですよね、だって走るのは楽しいですから。しかし、走るのが楽しいからこそ、走った後のアフターケアにも注目しましょう。

アフターケアを十分に行っておくと、次に走る時にフレッシュな状態で走ることができます。フレッシュな状態で走ると、気持ち良く快適に走れますし、記録を目指しているランナーは、効率良くトレーニングを積むことができます。

反対にアフターケアを行わず、身体に疲労感が残っていると、良いパフォーマンスが発揮できないので、結果楽しく走れません。“体が少し重く感じる”くらいなら問題ないですが、筋肉などに痛みがある状態で走れば、ケガにつながることもあります。

運動前は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチ

アフターケアといっても、栄養補給、休養などいろいろと行うことがありますが、ここではストレッチや筋膜リリースをご紹介していきます。

ひと昔前は「運動前後に同じストレッチを行う」のが、当たり前のように言われていましたが、最近は必ずしもそうではありません。運動前は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチを行うことが効果的と言われています。

動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)は、関節の可動域を広げていくストレッチ方法です。身体を動かすことで、血流が増えて筋肉の温度が上昇。最適なウォーミングアップになります。

反対に静的ストレッチは、これまでの皆さんが行ってきた、止まった状態で筋肉を伸ばしていくストレッチです。反動をつけずに行うことで、筋肉をリラックスさせる効果があります。※リラックスしてしまうので、運動前には適していなかったとも言えます。

コンディショニングに効く、静的ストレッチ

1. ハムストリング、股関節のストレッチ

ランニングの際に酷使される部位のストレッチです。運動によって筋肉は縮むので、ランニング後や就寝前に行うと効果的です。

1. 片側の脚を前方に伸ばします。

2. 反対の足の裏を伸ばした脚の太ももにつけます。

3. 伸ばした脚のヒザを曲げないように、上体を倒していきます。可能であれば、つま先をつかみましょう。30秒くらいゆっくり伸ばしていきます。30秒たったら脚を代えて反対側も。ゆっくり呼吸しながら行います。

2. 前もものストレッチ

前ももについてもランニングの際に使われる筋肉です。この部位をほぐしておくと、膝の痛み予防につながるので、しっかりケアしましょう。

1. 上体を起こしたまま座り、片側の脚を前方に伸ばします。

2. 伸ばした脚と反対の脚の膝を折って、前ももを伸ばします。

3. もっと伸ばせるようなら、上体を後ろに倒して、より伸ばしていきます。30秒くらいゆっくり伸ばしていきます。30秒たったら脚を代えて反対側も。ゆっくり呼吸しながら行います。

テニスボールで出来る
“筋膜リリース”も有効

最近、流行りのアフターケアといえば、筋膜リリースです。ご存知の方も多いでしょう。筋肉はそれを覆う膜(筋膜)で覆われています。運動によって筋肉が疲労することで、筋膜と筋肉が癒着しますが、それをほぐすのが筋膜リリースです。ストレッチポールやフォームローラーを使うこともありますが、硬式のテニスボールでも代用が可能です。

特にケアしたいのがお尻の筋肉。身体の中でもっとも大きな筋肉のひとつで、ランニングはもちろん、身体を動かす際の中心となる筋肉です。そのため、しっかりケアしてあげることで、ランニングのパフォーマンスはもちろん、あらゆる場面で身体のコンディションが上がったと感じられる部分です。

ケアの方法は簡単。

仰向けに寝転んで、お尻のくぼんでいるあたりにテニスボールを当てて、グリグリとするだけ。かなり痛みを感じる部分があると思いますが、そこを中心にグリグリとしていきましょう。ストレッチと同様に呼吸は止めずに。

痛みを感じる部分をケアするときには、痛みを我慢するために呼吸を止めがちですが、意識して深い呼吸をしていきます。そうすることで、より深い部分まで刺激が入り、効果が高まります。

継続して楽しく走るためにはアフターケアが大切です。このよう手軽にアフターケアはできますので、是非実践してみてください。

今村 咲織

今村 咲織SAORI IMAMURA

資生堂ランニングクラブ

陸上を始めたのは中学から。現在専門にしている5,000m、10,000mは大学に入って転向した種目だが、2017年の日本学生陸上選手権(全日本インカレ)で見事、全国制覇を達成するなど才能を開花させた。そんな今村選手が最近ハマっていることが「朝活」。オフには早起きをして友人たちと電車を乗り継ぎ人気のモーニングを食べたり、掃除などをして過ごしている。また、バスケットボールが大好きでBリーグを観戦することも。今後の目標は駅伝でチームに貢献することと、国際大会で活躍すること。10,000mで日本代表になることを目指している。