HANAE TANAKA

田中 華絵たなか はなえ

WELLNESS

田中選手がマラソン大会への心得をお届け

第7回は、2019年1月27日の大阪国際女子マラソンで6位、そして2018年アジア大会のマラソン競技に日本代表として出場した田中華絵選手が登場。一流ランナーとして、マラソン大会出場の心得をアドバイスします。

2019.01.28 MON

ランナーの皆さんなら一度はマラソンにチャレンジしてみたい、と思ったことはないでしょうか。そこで今回は、国内女子マラソン界でトップクラスの実力を誇る田中選手に、マラソン大会に対する心得を語ってもらいます。東京五輪出場を狙うトップアスリートのアドバイスは必読です!

ADVICEランニングのプロからのアドバイス

ゴールの先に楽しみを見つけてモチベーションをキープ

普段のジョギングやランニングとは異なり、マラソンは42キロ以上を走り切る過酷な競技です。レースに参加する際には、明確な目標を持ち、モチベーションをキープしてレースに臨むことが大切になってきます。

特に市民ランナーにとっては、モチベーションを保つことが課題となります。
自分にあったモチベーションの上げ方を見つけてください。私の場合は、楽しみな場所をゴール地点にして走ることにしています。例えば「ゴールを東京タワーにして、ゴールしたら写真を撮る」などでも良いでしょう。ゴールの先にお楽しみを用意しておくことで、モチベーションをキープしやすいかと思います。

適切なシューズ選びはフルマラソン完走の第一歩

マラソンの心得は、トレーニング、フォームなど多岐に渡ります。もちろんそれらも大切ですが、マラソンを完走する上では、シューズ選びも欠かせない要素となります。Run Run Beautyでは、真柄選手もシューズについてお話ししていますが、とにかく自分の足にフィットしたシューズを選ぶことが絶対条件。メーカーやモデルによって、同じサイズでもフィット感など違いがあるので、実際に試し履きして確認しましょう。

私もマラソンのシューズ選びについて質問を受けるのですが、フルマラソンのタイムが3時間半くらいまでなら、クッションが薄いものではなく、ある程度クッションがあるシューズを選んでください。クッションが薄いシューズで40キロ以上を走破できるのは、ハードなトレーニングで足を鍛えたからこそできる業です。怪我の予防のためにも、適切なシューズを選ぶことはトレーニング以上に重要になってきます。

アフターレースはしっかり休養を

マラソンの心得というと、レース前の準備に注目しがちですが、レース後のケアも非常に大切です。アフターケアはマッサージや食事など様々な要素がありますが、とにかくしっかり身体を休めることを心がけましょう。

私の場合、レース後の2週間は身体を休めながらコンディションを整えることを大切にしています。疲労を溜めたまま、ランニングやトレーニングを再開すると怪我の原因になり兼ねません。マラソンランナーにとっては、休むこともトレーニングの一環です。市民ランナーの皆さんも、疲労した身体は仕事などにも支障をきたします。しっかりと休息を取るように心掛けましょう。

田中選手が語ってくれた「マラソン大会出場の心得」、マラソン大会でついついやってしまう失敗談をまとめてみました。

Vol.07

あるある!失敗を学んで次のレースに生かそう!!

マラソン大会に出場する――。
楽しみでワクワクすると同時に、大会が近づくと緊張感も高まってきます。しかし初心者、ベテランを問わず、その緊張感から思わぬ失敗をしてしまうことも。

ここではレース前日までと、当日、レース後と言った、シーン別によるランナーの失敗談を集めました。同じランナー仲間の経験を“ありがたく”生かしていきましょう。

準備し過ぎるのも問題あり?レース前日までの失敗談

コツコツと練習を積み上げて、当日を迎える。一般的にランナーは真面目な人が多いと言われていますが、真面目すぎる性格が時には裏目に出てしまう場合があります。
「練習をし過ぎて、当日疲れを残してしまった」というのもよく聞く話です。もちろん人によって期間は違いますが、レース前の2~3週間はこれまでの疲労を抜くための時間に当てるようにしましょう。この期間に頑張ってもレース当日に高いパフォーマンスを発揮できるとは限りません。

レースはお祭りの側面も持ち、大きな大会の前日に行われるイベントを楽しみにしている人もいるでしょう。「レース前日のイベントではしゃぎ過ぎて疲れてしまった・・・」という人も意外といらっしゃいます。前日までにしっかりと疲労を抜くコンディショニングを行っても、お祭り気分に飲み込まれて疲れてしまっては元も子もありません。気分を盛り上げるのもほどほどにしましょう。

思わぬことが起きるのがレース 当日起きたアクシデントとは?

さて、無事に前日までを乗り切ったとしても、当日にさまざまなことが起きるのがレースというもの。「トイレが混む、とは聞いていたが、これほど混むとは思っていなかった」というのはよく聞く話。少なくともスタートの1時間前には会場に到着し、準備しておきましょう。トイレを我慢しながら走るのはツライものですし、大きな大会にもなれば、コース上のトイレも混み合う傾向にあります。トイレでのタイムロスを気にするなら、事前にすませておきましょう。

目標タイムで完走するために、時計でペース管理をしている人も多いはず。最近はGPSで瞬時にペースが把握できる時計もあるので、それを頼りに走る人もいるでしょう。しかし、しっかり充電していないと「スタート前にバッテリーがあとわずか」という事態になってしまう場合も。頼りにしているものがいきなりなくなると、精神的なダメージも大きくなってしまいます。身体のメンテナンスと同様に、機材のメンテナンスも欠かさないようにしましょう。

あと、周りのペースに巻き込まれないことも大切です。レース高揚感がそうさせるのか、スタートからハイペースで走り始めて、後半に失速してしまうランナーがかなりの数いらっしゃいます。「いつもよりもゆっくり」と言い聞かせて自分のペースで走り始めましょう。

補給と休息を忘れずに。レース後は次の大会の準備期間

レースが終わっても気を抜くことは禁物です。よく言いますが「帰るまでがマラソン大会」で、「次の大会までがマラソン大会」です。レース後の行動が次のレースの成功につながります。

なるべく身軽に参加したいのはわかりますが、レース後の持ち物として、補給食も持ってこないのは問題です。大きな大会なら、ゴール近くにコンビニやレストランなどがあり、補給食を持ってこなくてもよいというケースもあります。

しかし、ゴール地点が市街地から離れたところに設定されている場合などは、注意が必要です。近くにコンビニがあってもランナーがそこに集中するため、食べ物が売り切れてしまう場合もあります。空腹の状態でフラフラと帰宅することがないように、最低限の補給食を準備してレースに臨みましょう。

レース後の持ち物として、着替えも必要になってきます。レースウエアで参加してそのまま帰るという身軽さや荷物預けが面倒、という気持ちも分かりますが、もし途中で雨に降られたりすると「寒さに凍えながら帰る」ことになります。ランニングの大会は秋・冬に行われることが多いので、低体温症になれば命の危険にも繋がりかねません。なるべく走り終わった後の着替えも準備しておくようにしましょう。

レース後すぐに練習を再開するのも考えものです。大会では自分が想像している以上に力を出せる場合がありますが、その分身体のダメージも大きくなっています。人によって違いはありますが、まずはしっかり休養をとってから練習を再開しめましょう。
疲れが蓄積したまま、すぐに練習をして怪我をするのもよく聞く話です。レースで課題が見つかり、走りたくなる気持ちも分かりますが、無理は禁物。故障せず長くランニングを続けるためにも、休息はしっかりととりましょう。

田中 華絵HANAE TANAKA

資生堂ランニングクラブ

前チームから2017年4月に移籍入社。初マラソンとなった2017年の大阪国際女子マラソンでいきなり3位入賞しトップランナーの仲間入りを果たした。また、2018年は名古屋ウィメンズマラソン2018で6位入賞すると、アジア大会では日本代表として出場。2020の東京五輪出場も期待されている。趣味はコーヒーショップ巡りで、シーズンオフには1日に2、3軒をハシゴすることも。さらに格闘技が好きで時間が合えばボクシングやRIZINなどをテレビで観戦。「那須川天心さん(キックボクサー)と堀口恭司さん(総合格闘家)が好き」という意外な一面も見せる。