YUMI YOSHIKAWA

吉川 侑美よしかわ ゆみ

TRAINING

キャプテンがランニングデビューの心得を伝授

第1回は、2017年からランニングクラブでキャプテンを務める吉川侑美選手が登場。自身の経験も踏まえ、プロ目線でランニングの心得を語ります。

2018.8.31 FRI

小中学校はバスケットボールに励んでいた吉川選手が、本格的に陸上をスタートしたのは高校の陸上部に入部してから。当時は短距離専門で、現在の3,000m、3,000m障害、5,000mの中長距離に転向したのは大学に進学してからでした。

吉川選手は、実業団に進み走ることが仕事になったわけですが、だからこそ市民ランナーの皆さんやこれからランニングを始めたいという方に、伝えておきたいことがあると言います。

ADVICEランニングのプロからのアドバイス

無理せず気楽に

私たちは走ることが仕事ですが、皆さんはそんなことはないはずです。強制的に走らなければならない、というわけではないのですから、始める前から『こうでなくてはならない』という気持ちにならずに、無理をしないで気楽に走ることを心がけていただきたいです。

走ることで疲れることもあるでしょうし、続けることが大変と思うこともあるでしょう。そんな時は、好きなことをして心に余裕ができたら、また楽しく走ってみる。そんな気持ちでいて欲しいですね。走らなくても、誰かに怒られることもありませんよ(笑)。

まずは小さなゴールを設定しよう

私も走ることが辛いな、と感じたことは何度もありました。振り返ると、そんな時は目標がなかったのです。今はこのチームでトップでいることは当然で、自己記録の更新などやるべきことが沢山あるので走ることが楽しいですし妥協もありません。

皆さんも、いきなり『マラソン大会に出る』など大きな目標ではなく『10分走ってみる』というふうに達成できそうな小さなゴールを設定して、それに向かって走ってみてはいかがでしょうか。そして新しい小さなゴールを決めて、それをクリアする。これを繰り返せば、ランニングは継続できると思います。

ランニングで最も重要なアイテム

ランニングをするのに不可欠なのがシューズです。シューズは、サイズも大切ですがビギナーの方は脚への負担の少ないソールにクッションがしっかりあるものを選んでください。走り終わった後の疲れも全く違いますしケガのリスクも少なくなります。
私たちはレースの際はソールが薄く軽量なスピード重視のシューズを履きますが、脚への負担もその分大きいので、レース以外のトレーニングやジョギング時はクッション性の高いシューズを履いています。ほとんどのメンバーがシーンによってシューズを使い分けています。

吉川選手が語ってくれた「シューズ」へのこだわり。今回はその「シューズ」についての豆知識をまとめてみました。

Vol.01

自分にぴったり!シューズの選び方

 ランニングを始めたばかりの方から日常的にランニングを楽しんでいる方の共通の悩みが、シューズ選びです。
そこで、ここでは自分にあったシューズ選びのポイントやレベル別のおすすめシューズについてご紹介します。

シューズ選びのポイント

1. ソールの厚さで選ぶ

初心者には、ソールが厚くクッション性の高いものがおすすめです。従来は、ソールが厚いとどうしても重量が重くなる傾向がありました。しかし最近は、技術の進歩によって“厚くても軽い”ソール素材が開発され、上級者用のモデルでも厚底のものが増えています。短い距離では大したことがなくても、長い距離になった時にはその脚へのダメージは計り知れません。“衝撃に耐えうる鍛えた脚”をもっている上級者であっても、脚へのダメージを軽減するために、ソールの厚いシューズを選ぶトッププロもいます。

2. つま先だけではなく“カカト”にも注目する

カカトの部分(ヒールカップといいます)はシューズ選びで大切な部分のひとつです。一般的に「つま先が当たらないこと」を気にしがちですが、カカト、アキレス腱周りのフィット感も注意して選んでみましょう。個人差はありますが、女性のカカトは細めの形をしているため、女性用のシューズはヒールカップが狭く設計されています。ヒールカップが自分のカカトにぴったり合っているかを必ず試し履きしましょう。

3. アッパーのフィット感、通気性も大切

ソールの上の部分、足の上部を包む部分をアッパーといいます。最近はなるべく縫い目を少なくし、伸縮性、通気性の高いニット製のアッパーが増えたことで足の形にかかわらずフィットするものが増えてきました。とはいえ試し履きは大切。“シューレースをぎゅっと締めないとフィットしない”というシューズは合っていません。カカト、アッパー、足の裏、足幅などのフィット感を確認してシューズを選びましょう。

初心者から上級者まで。
レベル別ランニングシューズ

初心者(10km 60分〜)

まだ脚ができていない初心者ランナー。優しい履き心地でソールのクッション性が高く脚へのダメージを軽減してくれるシューズをピックアップ

HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)ボンダイ6

ご覧の通りかなりの「厚底」。そのためマシュマロのような優しい履き心地が体感できるHOKA ONE ONEのシューズ。しかもこのボリュームに対して重量は246g(24㎝)とかなり軽量。ソールがタイヤのように丸い設計のため、自然と転がるような脚運びをもたらします。脚ができていない初心者ランナーでも痛みを感じにくくスムーズにフィニッシュラインにまで導いてくれるシューズです。

ミズノウエーブライダー22

柔らかさと走り心地の良さが特徴のランニングシューズ。ソール(靴底)部の屈曲溝の数を増やし、よりスムーズで快適な走り心地を追求。
アッパー部は足の形状に合わせて編み方を変えたメッシュ素材と裏素材にはストレッチメッシュを搭載し高い通気性とフィット感があります。12cmの高いドロップ(つま先からかかとの厚みの差)で、初心者や走行時の左右のバランスがうまく取れないランナーのスムーズな重心移動をサポートします。

中級者(10km 50分台/フルマラソン 4~5時間で完走)

10kmを楽に60分以内で走れるようになってくると、スピードを求めたくなるもの。脚を守りつつもスピードを求める中級者ランナーにおすすめのシューズをピックアップ

アシックス ROADHAWK FF 2

ミッドソール全面に反発性に優れた素材のFLYTEFOAM Propelを搭載し、つま先から地面が離れる際に跳ねるようなライド感が得られるのが特徴です。アッパーのエアーメッシュは軽量で通気性に優れ、足に快適にフィットします。足先で地面を掴む感覚で軽快なスピード感を求めるランナーにおすすめです。

上級者(10km 40分台/フルマラソン4時間以内で完走)

さらなるスピードアップを目指す上級者ランナーは、地面との着地時間が短いため、フィット感と反発力が高いシューズがおすすめ。

ミズノウエーブエンペラー3

柔らかいだけではない。しっかりと衝撃を受け止めながらも跳ねる、踏ん張る動きもランナーにもたらすソール「ミズノウェーブ」を搭載したフルマラソン4時間切りを目指す人のための上級者モデル。前足部、中足部のホールド感を高めた設計でフィット感を高めランナーを確実にゴールに導く。
重量:約165g(24.5cm)

シューレースの結び方

そもそも足のサイズに合ったシューズ選びが大切ですが、最終的にシューズのフィット感を決めるのがシューレース(ひも)の結び方です。きちんと結ばないと、シューズの機能を活かせません。

長距離を走るなら「アンダーラップ」がおすすめ

結び方は穴の下からひもを通す「アンダーラップ」と穴の上からひもを「オーバーラップ」の2種類があります。どちらが良いかはお好みで選びましょう。長距離のランニングには長時間履いても圧迫感がないと言われている、アンダーラップがおすすめです。しかし、大切なのは自分のフィーリング。故障しないで楽しく走ることが目的なので、どちらも試して自分の好みをみつけてください。

よりフィット感を高める2段ハトメの使い方

2段ハトメに通した後、ループを緩めたままひもを締めるのはNG

ループはキュッと締める。足首がしっかりと固定され、シューズが持っている機能が活きる

今やほとんどのシューズについている上2つの穴。2段ハトメといいますが、使っていない方も多いはずです。しかし正しく使えばさらにフィット感が高まり、シューズの機能を十分に使うことができるのです。
使い方はカンタン。2つの穴にひもを通した後、そこでできたループの中にひもを通して締めるだけ。しかし、ここで注意が必要です。ループを緩めた状態でひもを結ばないこと。2つの穴に通したループはしっかり締めてからひもを結んでください。

吉川 侑美YUMI YOSHIKAWA

資生堂ランニングクラブキャプテン

高校時代は800mでインターハイ出場。前チームから2015年6月に移籍入社してから着実に力をつけ、1,500m・3,000m・5,000mで自己記録を更新した。そんな吉川選手の趣味はDVD鑑賞。普段沢山のトレーニングをする分、オフの時間は大好きな映画を見てゆっくり過ごすそう。今年のチームの目標は、去年シード権を獲得した駅伝でさらに好成績を挙げること。個人としては2,000m障害の日本記録を更新すること、さらに5,000mの自己記録更新を目指している。